はじめに

キッチンカー事業をこれから始めたいという方にとって、廃業率はどれくらいなのか気になっている方も多いのでしょうか？
キッチンカーに限らず、ビジネスにはリスクがつきもの。実際のところ、キッチンカーの廃業率は決して低くはありません。
ここでは、キッチンカーの廃業率がどれくらいなのか知るとともに、なぜ廃業率が高いのか要因についても触れていきます。廃業してしまう要因についても予め知っておいて、いざ始める時の対策を講じやすくしておきましょう！

１.キッチンカー事業は難しい？廃業率について知ろう

まず、一般的な個人事業主の廃業率について見ていきましょう。
中小企業白書によると、廃業率は1年後で37.7%、3年後で62.4%、10年後で88.4%となっています。
（中小企業白書：https://web.archive.org/web/20201120062309/https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/h18/H18_hakusyo/h18/html/i1220000.html）

一方でキッチンカー事業の廃業率については、開業後1年以内におよそ30%程度廃業するといわれています。これらのデータから、キッチンカービジネスへの参入は容易な一方で、事業を継続することは決して簡単なことではないという実態が見えてきます。

２.キッチンカー事業が廃業となってしまう要因

キッチンカーが廃業してしまう要因についてはどのようなものがあるのでしょうか？
要因についてあらかじめ知っておくことで、キッチンカーをはじめる際に参考になります。それぞれの要因について見ていきましょう。

出店場所の確保

キッチンカー事業の成功において、適切な出店場所の確保は極めて重要です。 しかし、出店場所を見つけることが難しく、適切な場所が確保できないと、顧客層の獲得が難しくなります。地元の規制や競合店舗の影響も考慮しながら、戦略的に出店場所を選定することが不可欠。 また、交通アクセスや周辺の人口構成なども検討しながら、見込みとなる顧客層を見極めることが成功の鍵となります。

メニューのオリジナル性

キッチンカー事業において、メニューのオリジナリティはビジネスの差別化に効果的。競争が激化する中で、他のキッチンカーと同じようなメニューを提供してしまうと、顧客の興味を引くことが難しくなります。
メニューにオリジナル性を持たせることで、独自の味を生み出し、お客様にとって記憶に残るような食体験を提供することが求められます。
また、食のトレンドや地域の特色を考慮し、競合他社とは一線を画す斬新な料理やユニークな組み合わせを導入することが重要となります。
そして、季節ごとの変更や限定メニューの導入も顧客の興味を引く手段の一つです。
定期的なリサーチや顧客フィードバックを通じて、常に進化するメニューを提供することが、キッチンカー事業の継続的な成功につながっていきます。

初期コスト

一般的な飲食店を出店することに比べ、キッチンカー事業は初期コストを低く抑えることはできますが、それでもある程度のまとまった資金が必要になってきます。
適切な機材や調理施設、車両などを揃えるために必要な資金が事業者にとって負担となり、経営の安定性に影響を与えることがあります。特に、高品質な厨房機器や車両の導入には多額の費用がかかってしまいます。
この問題を解決するために、慎重な予算立てや資金調達の計画が不可欠です。
リースや中古機器の検討、助成金や融資の活用など、柔軟で戦略的な資金調達手段を検討することが重要です。また、必要最低限の設備からスタートし、事業が軌道に乗った後に拡充するという段階的なアプローチも一つの対策となります。
初期投資の適切な管理は、キッチンカー事業の長期的な成長につながるカギを握っているといっても過言ではありません。

客単価設定

キッチンカー事業において、客単価を適切に設定することは利益の面で重要ですが、逆に低すぎると経営に深刻な影響を及ぼす可能性があります。過度な価格競争や他店舗との比較により、客単価が低くなると、原材料費や経営コストを賄うことが難しくなります。
この課題を克服するためには、競合状況や地域の経済状況を踏まえつつ、適正な価格設定を行う必要があります。付加価値のあるサービスや特典の提供、セットメニューの活用などを通じて、客単価を向上させる戦略を検討することが重要です。
また、顧客のニーズや評価に対して常に敏感になり、柔軟な価格戦略を展開することで、収益の最適化を図ることができます。バランスの取れた価格設定は、キッチンカー事業の継続的な成功と成長に不可欠な要素です。

天候によった集客状況の変化

キッチンカー事業において、天候は極めて重要な要素となります。
悪天候が続くと、外での飲食が難しくなり、集客が大幅に減少する可能性もあります。雨や寒さ、強風などの天候条件が悪い日には、顧客が外に出てキッチンカーを利用することが減少し、売上に直結してしまいます。
この問題に対処するためには、事前の天候予測や季節に応じた対策が必要です。たとえば、雨対策としてテントや傘の準備、寒冷地域では暖房機器の導入などが考えられます。
また、悪天候時の特別メニューの提供やデリバリーサービスの拡充など、屋外での飲食が難しい場合でも顧客にサービスを提供できる工夫が必要です。
状況に応じた柔軟な対策を講じることで、天候不良による集客不足を最小限に抑え、キッチンカー事業の安定的な運営を確保することが可能です。

まとめ

ここまで、キッチンカーの廃業率と廃業してしまう要因について見ていきました。
キッチンカービジネスへの参入自体は飲食店と比べて容易ですが、継続するためには日々の努力や改善がとても大切であるということがご理解いただけたかと思います。
キッチンカー事業をスタートして、長期的に継続させるためには、しっかりと廃業してしまう要因について把握・理解しておくことが大切になります。