まずはじめに

飲食店をこれから始めたいけど、資金面に余裕がなく、初期費用が多くかかるから開業をためらってしまうという人も少なくありません。土地を購入して開業する場合は土地代や建物代がかかり、借りる場合も賃貸料などの固定費がかかってしまいます。一方で自由に移動できるキッチンカーは、開業に必要な初期費用は飲食店に比べて少なく済みます。
ここでは、一般的な飲食店を始める場合の初期費用について触れ、キッチンカーの初期費用が概ねどのくらいかかるのかについて、紹介していきます。

１.飲食店を開業する際にかかる初期費用は結構高い

一般的に、飲食店を開業する際にかかる費用は、平均でおよそ1,000万円ほどであるといわれています。
これには、賃貸物件の場合にかかる保証金や礼金、また設備投資には内外装の工事費や調理設備の整備費用などがかかります。
そのほか、テーブルや椅子、お皿などの備品も必要になり、スタッフを雇う場合は採用にかかる費用などがあります。
1,000万円ほど準備するというのはなかなか難しいケースが多く、いざ飲食店を開業したいと思っても気軽に始められる額ではないのではないでしょうか。

２.キッチンカーは初期費用が安く済むのが大きなメリット

キッチンカーをはじめたいと考えたときに、一体何にどれくらい費用がかかるのか気になる人も多いのではないでしょうか？
結論からいうと、キッチンカーを始める場合の初期費用は、飲食店に比べて少なく済みます。
一般的に、キッチンカーを始める際の初期費用は概ね250万円から300万円が相場となっています。飲食店の開業に比べて、格段に初期費用が安いことがわかります。
ここからは、どんなものにいくらくらいかかるのかについて見ていきましょう。

キッチンカーの購入費またはレンタル費用

キッチンカーを始めるには、慎重な計画と財政的な配慮が必要になってきます。
初期費用のなかでも最初に考慮すべき項目は「キッチンカーの購入費またはレンタル費用」です。

キッチンカーを準備する際は、以下の4パターンが考えられます。
移動販売車を購入する：およそ200万円程度
自分の持っている車を自身で改造する：50万円程度
自分の持っている車を業者に依頼して改造する：130万円程度
レンタルする：3~10万円/日（平日と休日で料金が異なるケースが多い）

キッチンカーを新たに購入する場合、車両自体の価格やそれに伴う改修費用がかかります。中古車を利用することで初期費用を抑えることも可能ですが、機器や設備が不足している場合は追加の投資が必要です。
一方で、レンタルオプションを利用する選択肢もあり、初期費用を抑えつつも迅速に事業を開始できる利点があります。

キッチンカーの購入に関する予算は、車両の状態やサイズ、設備の充実度によって大きく変動します。機能や機器が整ったキッチンカーは初期投資が高くなりますが、長期的な運営でメリットが現れることも考慮しておくとよいでしょう。
レンタルの場合は、月々の費用や契約条件に注意が必要です。
初期費用が比較的低いため、資金調達に余裕をもたらし、事業をスムーズに展開する手段となります。
いずれの選択肢も、地域の規制やビジネス計画に基づいて検討することが必要です。

キッチン機器と調理道具

キッチンカーの運営を始めるには、検討すべき初期費用が数多く存在します。
その中でも重要な要素の一つは、「キッチン機器と調理道具」にかかるコストです。
一例としてクレープのキッチンカーを始めたい場合は、業務用のクレープ焼き器が必要ですが、7万円程度かかります。
また焼きそばやお好み焼きを販売するキッチンカーでは、調理する際に必要な器具としてグリドルがありますが、こちらは10万円程度見ておいた方がよいでしょう。

キッチンカーの内部は、効率的で機能的な調理が可能なように機器や道具で整えられています。
これらには調理設備、調理器具、収納棚、冷蔵庫などが含まれます。これらの設備は食材の保管から調理、提供までの一連のプロセスに必要であり、品質と効率性を確保するためには適切な投資が求められます。
機器の選定にはキッチンカーのメニューや特性に合わせたものを選ぶことが重要です。
例えば、多様なメニュー提供を考える場合は、汎用性のある機器を導入することが望ましいです。同時に、スペース効率や省エネルギー性も検討すべきポイントです。

調理道具に関しても、キッチンカーの特有の制約やスペースに合ったコンパクトなものを選ぶことが重要です。
効果的な収納方法や使い勝手の良さが、狭いスペースでの作業を円滑に進めるカギとなります。

広告や販促ツールにかかる費用

キッチンカーの立ち上げには、事業を広く知らせるため効果的な販促が不可欠です。
具体的には、タペストリーの制作やお店の看板、メニューの看板などがあり、デザイン費と製作費の両方がかかります。概ねこれらの費用は12万円程度かかると想定しておきましょう。

広告と宣伝の手段は多岐にわたり、選択肢によって費用も大きく異なります。
例えば、チラシやポスターの印刷、デジタル広告などもやろうと思えば可能です。
デジタル広告は特にキッチンカーを周知させるのには効果的で、ソーシャルメディアやウェブサイトを活用して広範な視聴者にアプローチできます。
一方で、地域密着型のキッチンカーの場合、現地のコミュニティに向けたイベントや地元メディアへの露出も重要になってきます。

まとめ

ここまで、一般的な飲食店を開業する際にかかる初期費用の目安から、キッチンカーを始める場合の初期費用について見ていきました。 飲食店開業に比べて、キッチンカーは初期費用が安く、これから飲食の仕事をしたいと考えている人にとって、敷居の低いビジネスといえます。